譲渡制限株式の相続人等に対する株式の売渡請求 【法人定款】
こんにちは。
上三川町の司法書士の市村です。
今年もあとわずかになりました。
今回は、譲渡制限株式を相続により取得した相続人に対しての規定のお話です。
多くの会社は、株式の譲渡制限の規定を設けていらっしゃいますが、
株式の相続・合併等による一般承継を制限したり、もちろん禁止したりすることはできません。
また、相続による株式の承継には、株券の交付や株主名簿の名義書き換えもなく会社に対抗できます。
相続人等に対する株式の売渡し請求
株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式を取得したものに対し、
当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができます(会社法第174条)。
条件は下記5つになります。
1.対象の株式が譲渡制限株式であること。
2.定款に売渡し請求の規定があること。
3.株式会社が株主の相続等があったことを知ったときから1年以内に売渡請求をすること。
4.株主総会の特別決議による承認を得ること。
5.株式会社の剰余金の分配可能額の範囲内であること。
4においての注意点は、売渡し請求することを決定する株主総会において、
当該相続人等は議決権を行使することができないことです。
株式を一般承継した相続人等は、買取価格を会社と協議ができますが、この定款の定めに基づく
売渡請求を拒否することができないとされています。
また売渡請求における買取価格は、その効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならないとされています。
せっかく株式の譲渡制限に関する規定を設定しても、株主の相続により会社にとって不利益な株主が議決権を取得することを
防ぐことができる規定ですので、定款に定めることをお勧めします。
このコラムをご覧いただきまして、ありがとうございました。
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