相続分の指定と包括遺贈 遺産分割登記
こんにちは。
上三川町の司法書士の市村です。
お盆前ですが、宇都宮市に家族信託の相談に行ってきました。
本日は、相続分の指定を受けた相続人と包括受遺者による遺産分割協議に基づく登記についてです。
【事例】
被相続人志郎さんが生前に遺言書を作成して、内容は以下の通り。
① 相続人である長女綾子さんが持分3分の1及び次女佳奈さんが持分3分の1の相続分の指定
② 相続人でない由衣さんに3分の1の割合的包括遺贈
③ 遺言執行者の指定あり
包括遺贈とは、財産の全部又は一部を一定の割合で示して包括的に譲渡する遺贈のことであり、
相続人と同一の権利義務を有するので、相続債務も承継する。(民法第990条)
民法第902条
1 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、
又はこれを定めることを第三者に委託することができる。
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、
又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。
遺贈による一部移転⇒相続による持分全部移転⇒遺産分割による持分全部移転
遺産分割の当事者には、共同相続人の他、包括受遺者及び相続分の譲受人が含まれます。
よって、今回の当事者は遺産共有状態ですので、
特定の者が不動産を取得する場合には、遺産分割協議が必要です。
包括受遺者等第三者を含む遺産分割の登記手続きにおいて、
直接包括受遺者等名義の手続きはできませんので以下の3件の登記が必要です。
【1件目】
目的 所有権一部移転
原因 年月日遺贈
権利者 持分3分の1由衣
義務者 亡志郎
【2件目】
目的 志郎持分全部移転
原因 年月日相続
相続人(被相続人志郎)
持分3分の1綾子
持分3分の1佳奈
目的 綾子、佳奈持分全部移転
原因 年月日遺産分割
権利者 持分3分の2由衣
義務者 綾子
佳奈
もし、志郎さんの住所が登記簿上の住所と違っている場合、名変登記も必要になります。
このコラムをご覧いただきまして、ありがとうございました。
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