時効援用権を相続した場合の問題点 【登記手続】
こんにちは。
上三川町の司法書士の市村です。
今回は、不動産の時効取得と相続のお話です。
土地所有者に相続が発生した場合
【事例】
対象不動産 甲土地
土地所有者 和也さん 和也さんの相続人 志郎さん
土地占有者 綾子さん
時効完成前後に関わらず、和也さんに相続が発生して、志郎さんへの所有権移転の登記がされている場合
時効取得者を登記権利者、相続人の志郎さんを登記義務者として【年月日時効取得】を原因とする
所有権移転登記ができます。
時効援用権者に相続が発生
【事例2】
土地の占有者の綾子さんの相続人 佳奈さん【他に相続人あり】
綾子さんによる占有が時効完成前に相続が発生した場合は、相続人に占有も相続されます。
そして、時効が完成したら共同相続人の1人は自己の相続持分の限度においてのみ取得時効を援用することができます。
次に、綾子さんによる占有が時効完成後に相続が発生した場合、時効援用権も遺産共有になるため、
綾子さんの共同相続人全員による遺産分割協議によって、佳奈さんが単独で甲不動産の占有を承継すれば、
土地所有者から佳奈さんへの時効取得による所有権移転登記ができると解されます。
このコラムをご覧いただきまして、ありがとうございました。
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