委託者に成年後見人がついた場合の問題点 【家族信託手続】

こんにちは。

上三川町の司法書士の市村です。

今回は信託契約の委託者が認知症になってしまい、成年後見開始の手続きをしたら家庭裁判所により

成年後見人が家族以外の人間が選ばれた場合の問題点についてお話します。

 

信託契約が終了される危険

委託者兼受益者 父親の志郎さん

受託者 娘の綾子さん として不動産を信託したとします。

その後、志郎さんが認知症になり、志郎さんには専門職の成年後見人がつきました。

そうすると、成年後見人は信託信託を終了させることができるんです。

成年後見人は、志郎さんを代理して法律行為ができるからです。

委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、信託を終了することができる。 (信託法164条1項)

また、委託者と受益者の合意で、受託者の選任や解任も出来てしまうという危険性もあります。

3つの対処法

① 信託契約の終了事由の条項に、『親族以外の成年後見人は、信託法第164条1項による終了そすることができない』

など記載しておく。

② 事前に、委託者に任意後見人を選任しておく。 ⇒ 委託者が認知症になっても成年後見人の選任は不要になります。

③ 信託契約書に、『本件信託の委託者の地位は相続により承継せず、委託者の死亡によりその地位は受益者へ移転し、

 当初の委託者の権利は消滅する。』と記載しておく。

 

ですので、わたくしの事務所では、認知症対策としての家族信託には、任意後見制度も併せてご相談しております。

 

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